かけ算の順序に対する学識者たちの声1

ノーベル生理学・医学賞本庶佑さん

 本庶佑さんは研究の原動力を聞かれると「何かを知りたいという好奇心だ」と即答する。研究する上で大切なことは「好奇心」「勇気」「挑戦」「確信」「集中」「継続」。それぞれの英語の頭文字から「6つのC」と表現する。それは自身の人生そのものだ。
 「定説を覆す研究でなければ科学は進歩しない。学問の世界も保守的で、定説に沿わないような論文はなかなか認められず苦労するものだが、後世に残る研究とはそういうものだ」
 平成17年、京都大医学部の最終講義では、こう語った。「目標は難しいほど魅力がある。誰もが見向きをしないような石ころを拾い上げて、ダイヤモンドに仕上げていく。どうなるか分からない混沌とした状態の中から立ち上げていくところに大きな魅力を感じる」

 科学者を目指す若い人には、こんな言葉を贈る。「教科書に書いてあることが全部正しいと思ったら、それでおしまいだ。教科書は嘘だと思う人は見込みがある。丸暗記して、良い答案を書こうと思う人は学者には向かない。『こんなことが書いてあるけど、おかしい』という学生は見どころがある。疑って、自分の頭で納得できるかどうかが大切だ」

 「現在も特別教授として研究チームを引っ張る。世界との競争は激しいが「僕らは100メートル走のような競争はしない。皆があっちを向いているときは、こっちを向いてやる。わが道を行く」と語った。」

 

数学者たちの「順序」についての見解

◆ 京都大学名誉教授で,学校図書の算数教科書『みんなと学ぶ 小学校 算数』の代表の1人である一松信氏が,2015年1月刊行の新書『数の世界』の中で次のように書き(pp.37-38),みかんを配る問題で2×3でも3×2でもよいと解説しています。

 交換法則は図1.8のように縦横に整然と並べた方形配列を考え,縦横どちらもそれぞれの並びごとに数えてまとめれば総数は同じと説明します。しかし単位にこだわって例えばみかんを3人に1人2個ずつ配る総数の計算で,2個×3=6個を正解とし,3×2を誤りとする先生が多いというのが気になります。3人にまず1個ずつ配り,それを2回反復したと考えれば3×2=6個で正しいでしょう。これは交換法則2×3=3×2の説明にもなると思います。

 

◆ 東京大学名誉教授で,学習院大学理学部数学科教授の松本幸夫氏は,数学セミナー2015年2月号に「3×5 vs. 5×3の問題」と題する記事を書き(pp.54-58),以下の主張を中心として,交換法則を学べば3×5と5×3の区別をすべきではないと説いています。

 初めて掛け算を習う子供たちに,「みかんが3つのったお皿が5つあります。このときのみかん全部の数を計算するのが掛け算です」と説明してもまったく問題ない。そのあと,掛け算を表す式を教えなければならない。上の問題は3×5でも5×3でもどちらでもよい。

 しかし,初めて掛け算を習う子供たちに「どちらでもいいんだよ」と教えれば,戸惑う子もでてくるであろう。そこで,とりあえずどちらかの書き方,たとえば,このときの掛け算の式を3×5=15と書くように指導する。導入の段階では,どちらかの書き方に決めておいたほうが説明しやすいであろう。そして,現行の教科書がやっているように,掛け算を使ういろいろな場面を考えたり,九九の表を作ったりして,掛け算に慣れさせる。そして交換法則3×5=5×3に気づかせる。交換法則によって,「みかんが3つのった皿が5つある」ときの掛け算の式を3×5と書いたのが暫定的な約束だったことを説明することができる。

 つまり,この問題を式で書くとき,みかんの数(3)を先にして3×5と書いても,お皿の数(5)を先にして5×3と書いてもいいんだよ,ということを教えることにができる。
 ところが,あくまでも暫定的な約束「ひとつ分×いくつ分」にこだわる人がいて,交換法則の意味は「みかんが3つのった皿が5つあるとき」のみかんの総数と「みかんが5つのった皿が3つあるとき」のみかんの総数が等しいという意味だ,という解釈しか認めないようである。

  そのように解釈しないのは間違った考えだと主張するのはおかしい.交換法則の登場は掛け算の順序には意味がないことを気づかせるよいチャンスであるのに,教えるほうが掛け算の順序にこだわるあまり,そのチャンスを逃しているのだ
  
  『教科書会社の「横並び志向」のため、本来は「暫定的」であったはずのかけ算の順序が1つ分×いくつ分の順序に40年以上も固定されている。そのために、これこそ正しいかけ算の順序であるという意識が芽生え、交換法則が軽視されている。逆の順序で答えた生徒がバツをもらったり、「間違った考え」として矯正される事態も起こっている。これでは「逆の順序でも良い」と指導する教師が「目を付けられる」こともあるのではないかと心配になる。なにやら「思想統制的」な気配も感じられる事態である。かけ算の順序を決めておけば、教育上それなりに便利なのかも知れないが、しかしどんな教育理論にせよ、そのアウトプットとしてのかけ算の特定の順序が正しいというような指導に行き着くとしたならば、その教育理論は間違っていると言わざるを得ない。」

 

◆ 東北大学大学院理学研究科数学専攻助教の黒木玄氏は,季刊理科の探検2014秋号に「かけ算の順序強制問題」と題する特別寄稿をよせ(pp.112-115),歴史的なことや教育・調査の現状を示した上で,「教科書などにある論外な教え方は教育現場からきちんと排除されるべき」「この問題は単なる氷山の一角」と主張しています。

 

◆ 名古屋大学名誉教授で椙山女学園大学教育学部教授の浪川幸彦氏は,数学セミナー2014年9月号の連載記事「変化と関係」(pp.62-65)の脚注で,以下のように記し,順序の問題に対する教育的な観点からの見解を述べています。

 aを被加数,bを加数と呼ぶ。この意味付けの場合,aとbとは交換可能ではない(結果としてはそうなるが)。文章題を式に直したとき,順序を問題にすべきかどうかがいつも議論になるが,教育的な観点から見たときの結論は明らかである。

 すなわち子どもが足し算(あるいはかけ算)の意味がきちんと分かるようになるまでは表示の順序は厳密であるべきで,それが自由にできるようになったら気にしなくてもよい。

 

◆ プリンストン大学名誉教授の志村五郎氏は,2014年8月刊行(書き下ろし)の著書『数学をいかに教えるか』で「掛け算の順序」の章を設けて(pp.45-48),以下の通り記し,数の掛け算においてはどちらでもよく,順序の指導はやめるべきと結論づけています。

 私は三年ばかり前までこの奇妙な事実を知らなかった。私が小学生であった時からその話を聞いた三年前までそんな区別をする人がいるとは思いもよらなかった。どうやら1950年代に一部の教育家が「乗数」と「被乗数」という言葉を発明して「掛け算の順序」という愚劣なことを言い出したのが始まりらしい。それを正確に調べる意味もないと思うので,単に私の立場を書く。

 その問題を示されたならば,これは掛け算の問題であるとすぐ認識する.そしてふたつの数がある.だからそのふたつの数を掛け合わせればよいので,頭の中にあるのは「ふたつの数の積」という概念だけであって、その順序は問題にならない.強いて言えば示された数の順に3×5と書くのが自然かも知れないが、後の方を先に書いて5×3にしたってよい。それだけの話である。

 単なる数の掛け算の話に戻ると,結局どちらでもよいのにどちらが正しいかを考えさせるのは余計なあるいは無駄なことを考えさせているわけである。だからそんなことはやめるべきである。

 

かけ算順序問題は小学校時代にすでに破綻している

小学校の教材を見てみると

① 小学校6年生の教材

 「正三角形の一辺の長さをx cm,周の長さをy cm とすると,yはxに比例する。この関係を式に表しなさい」とあります。

 比例式では、「決まった数」が3となるので、y=3×xが正解です。しかし、かけ算の順序固定に従うと、「一つ分の数」がxなので、x×3が正解となります。

 つまり比例の関係を式で表すと、かけ算の順序固定に当てはまらない場合が出てきます。だいたい全てのかけ算に当てはまる訳はありませんね。

 

② 小学校4年生下の教材

  だんの数を○だん、まわりの長さを△cmとして式に表しましょう。
  指導書の解答に○×4=△(△÷○=4、4×○=△)とあります。
  だんの数を数を○だん、下からの高さを△cmとして式に表しましょう。
  指導書の解答に○×15=△、15×○=△、△÷○=15、△÷15=○などとあります。
  つまりここでは、かける順番も単位も気にしていないことが分かります。

 

③ 小学校3年生上の教材

15÷3の式になる2つの問題があります。この2つの問題をくらべてみましょう。

「1人分の数」×3も3×「人数」も3の段の九九を使って求めますと書いてあります?。教科書会社は教科書p.14のさくらさんが□×7=7×□より7の段の九九でと既に学習しているので、かけ算の交換法則を使って,□×3=3×□と捉えることで解決していたければと思います。だそうです。かけ算の交換法則をp14以降に使っていいんだ?え~なにそれ!

 

④ 小学校3年生上の教材

「みかん16こを,3人で同じ数ずつ分けます。1人何こになって,何こあまりますか」

 問題を解いた式は、16÷3=5あまり1  たしかめの式は,3×5+1=16となります。これだと,3倍×5ずつになってしまうので、このページには、教科書にたしかめの式は書いてありません。こちらを前に持ってくることに作戦を感じる。

 次のページでは、「あめ23こを,1ふくろに5こずつ入れると,何ふくろできて,何こあまりますか」

 式は、23÷5=4あまり3  たしかめの式は,5×4+3=23 これだと,5ずつ×4 倍と教えた通りなので、このページには,教科書にたしかめの式が書いてあります。

 

⑤ 小学校を卒業すれば

当たり前ですが、かけ算順序固定は存在しません。それどころか調べてみると逆の順番ばかり見つかりました。かけ算は用途に応じて,扱いやすい順序でかけることができるので、便利なツールになっていると考えられます。

 

小学校時代に破綻していることに気がついた人

☆ <numachi11111 しがない塾講師より>

 「かけ算順序」の考え方では,逆算(□に入る数を求める計算)のときに論理的整合性が失われますよ。だから,最悪でも逆算を学習するまでには,「かけ算順序」は解除されなければ指導上の悪影響が予想できますよ。では,次の画像を見てください。Twitter から切り出しました。

「式には意味がある」というのが「かけ算順序」の主張なので,それに沿って生徒は次のように意味づけをしたとしましょう。

 ① □個のおはじきを 9 人で分けたら 7 個ずつ配れた。
 ② □個のおはじきを 9 個ずつ配ったら 7 人に配れた。

 

これを,「かけ算順序」に沿って立式すると, 
 ①の場合は □個=7×9  
 ②の場合は □個=9×7    となります。


この 2 つはどちらも,「かけ算順序」の下で整合するので,②だけを✕にする理由はないことがわかります。つまり,逆算と,かけ算順序は整合しません。

「かけ算順序」を仕込んだところで,早々に矛盾してしまうんだから,仕込むのをやめたらいいと思うんですけどね。  

                     

☆僕は理系の人間ですが、トピ主さんが執着しておられた小学校で教えられた掛ける数と掛けられる数の順番は、どちらかが変数になった時点で破綻していることを同じ小学時代に感じましたよ。例えば、1個x円のりんごを5個買うときの代金をy円とするとy=5xと記述しますが、これで破綻してしまいますよね。電卓でも変数のほうを後にすると、計算が便利ですし

 

☆ YAHOO知恵袋より 小6の息子が算数テストを持ち帰ってきた。どうも納得いかない。

 「正方形の一辺の長さ x cm と、まわりの長さ ycm の関係を式に表しなさい」「y=x×4」だと減点3点!? 正解は「y=4×x」
 教科書を確認すると、比例する関係を表す式「y=きまった数×x」と書いてありました。それじゃあ、仕方ないかとも思うのですが、それなら、「縦が xcm の長方形の、横の長さ8cm と面積 ycm2 の関係式」は、「y=8×x」になるのかな。

 でも、ちょっと前の学年までは、掛け算の式は、「一辺の長さ6cm が4辺なので、まわりの長さは6×4」「長方形の面積は、縦×横」なのでと、かけられる数とかける数の関係(書く順番)がかなり重視されていたのに、学年かわって、比例となると、その書く順番が変わってくることに、なんだか矛盾を感じるのは、私だけでしょうか?
                                

 

 

 

かけ算の順序が逆でも検定は通る!

検定の内容にはかけ算の順序は関係なかった

・啓林館2011年の算数教科書6年下には一つ分が幾つ分より後になる立式があった。
啓林館は【かけ算の意味にしたがった立式になるように,数値を入れ替え】たことを公表し、翌年には教科書本文に【よりわかりやすい記述への修正】を施した。( 笑ってしまう言い訳ですね!!

・教科書の教師用指導書を通して教師にかけ算順序固定強制指導するように指示を出している教科書出版社が、検定済み教科書でかけ算順序を間違ったという事例もあります。(検定は通っているので、順番は関係ないということ)どうしてばかばかしいことをやっていると思わないのでしょうか?

 

問:ア:1aの水田で育つ稲の数は約27000本で、1本の稲から約140つぶの米がとれるそうです。

 黒木玄氏より:教科書出版社側は、自分達が自社教科書のマニュアル本で押し付けている掛算順序ルールを守ることができず、後で訂正している。ルールを押し付けている算数の教科書出版社の側でさえ守ることができないルールを子供に押し付けている不思議と語っている。※先生方もどっちが「ずつ」だと考えることがある。ただかけ算すれば良いのに、そんな無駄なことを考える必要はないでしょ!

 

先生も教科書も間違えるような内容でした

 3番目に注目w  かけ算順序を教えている教員も混乱している。


 これ、順序派的にも3番ておかしくね?教員も混乱するほどいい加減なものなのです。掛算順序って。自分が陥っているカルトの教義ぐらい理解していろよw。たしかに、うちの先生も問題集の○をつけるときえ~とどちらが「ずつ」かな?と考えていました。私は先生がすぐに分からないことは、教えない方が良いとアドバイスしました。

 

 

かけ算順序固定の根拠は,どこにあるの?

① 学習指導要領

 乗法の意味について理解し、それらが用いられる場合について知ること
 乗法が用いられている場合を式に表したり、式を読み取ったりすること
 

 乗法の意味とはどんなことか?乗法の順番はどうするか?については、記載されていない。

 

② 拘束力のない学習指導要領解説にも

  一つ分の大きさである5を先に書く場合……。一つ分に当たる大きさを先に,倍を表す数を後に表す場合……。とわざわざ場合と書いてあり,逆順は×とは読み取れない。さらに「4×100 mリレー」(一つ分は100m)のように,表す順序を日本と逆にする言語圏があることに留意する。とわざわざ書いてある。

 

③・【盛山文科相に聞く㊤】

「先生は子どもの好奇心伸ばして」2024年1月6日 教育新聞
 そうすると、今まで丁寧にやっていたものを軽くしたり、場合によってはなくしたりすることも必要となる。また、文科省はベースとなるものを学習指導要領としてお示ししているだけだ。実際には学校の先生や教育委員会の判断になる

④・あ〜る菊池誠(反緊縮)公式 @kikumaco

  文部科学省初等中等教育局教育課程課に電話で問い合わせました。忙しいところをお邪魔して本当に申し訳なかったと思っています。「掛け算の」と言っただけで、「順番ですよね」と返されました。ほんと、申し訳ない。
  結論は簡単です。
  1. 学習指導要領解説には法的拘束力はない      午後0:04 · 2024年4月4日
  2. 解説P.115の「一つ分の大きさである5を先に書く場合5×4と表す」は
    あくまでもこの場合の例示であり、逆順でも構わない。
  3. 同ページに「ここで述べた被乗数と乗数の順序は・・・               

   大切にすべきことである」も 例示であって、逆順でも構わない。ということで 

   す。だから、指導要領解説のレベルでも逆順で構わないのです。

  そもそもP106には ◯◯◯◯◯◯
            ◯◯◯◯◯◯ という図が示されていて、

   ここに「2×6または6×2」と書かれているので、組み分けと式が1対1対応でない  

   ことは明らかなのですよ。

⑤・文科省回答 2023年12月26日 積分定数

 文科省に「今はかけ算の順序の一方だけが正しいと教えているのですか?」と問い合わせ電話したら「いいえ」とのこと。

 

⑥・文科省初等中等教育局教育課程課の回答 

2021年7月27日  東洋経済education × ICT編集チーム  
 「順序がどうというよりも、掛け算がどういうもので、それぞれの数が何を意味しているのかを理解することが大切です。そのうえで、学校現場でどう指導するかは各学校のやり方にもよるでしょうし、児童の状況や理解度を踏まえながらご指導いただく必要があると思っています」

 「『こういう式に当てはめればいい』ということだけを教えると、思考の固定化にもつながりかねませんし、応用問題が解けないことも起こりえます。一方で、『1つ分の数』『いくつ分』といった言葉だけだとイメージしづらいので、具体的な日常生活と掛け算とのつながりを意識しながらご指導いただくことが大事だと思います」※だから何なの?どっちなの?

 

⑦・文部科学省担当官のコメント

「2017年7月13日」

 式が5×4でも、4×5でもまったく問題ない。ただ、問題に登場した数字が何を意味するか理解しないまま、5×4=20と計算するだけで終わりにする指導を避けてほしかった。

 

⑧・文部科学省の回答

「2013年1月25日 朝日新聞

 「国として、『正しい順序』を決めてはいない」と意外な回答。学習指導要領自体にも「順序」の記述はない。ただ、「8×6=48」をバツとする指導については「学校現場に裁量があり、コメントする立場にない」。

 

⑨・文科省初等中等教育局教育課程課

「2012年11月5日  中日新聞

 「掛け算の意味を理解させるよう定めているが、順序については国が定めるものではない」と距離を置く。また、指導要領の解説に対する教科書会社の解釈には「深く考えすぎだと思う」と打ち消している。

 

⑩・文部省の回答

「1972年1月26日 朝日新聞

 指導の段階から見て、4×6だけを正しいとする指導もあるだろうと考えます。担任の先生は授業を通して、こどもを1つの考え方だけに固定しようなどとは考えていないと思います。…ご心配なされる親の学校不信などのことが起こりませんように、学校の先生方とお話し頂ければ幸いと存じます。

 

該当教育主事:指導のあり方よりも、テストも評価の問題だと思う。評価は子どもにとって励み・刺激になるものでなくてはならない。その意味でペケにしたのは問題があるといえよう。

該当教育研究所:子どもが期待通りの答をしなかったからといってペケをするのはどうか。

京都大教授:子どもはアッというような面白いことを考えるものだ。6×4と考えたとしても少しもおかしくない。思考の飛躍、冒険は大切なことで、どんどん生かす指導をやらなくてはいけない。……

 

⑪・文科省の教科書調査官の人と話しから

 あまり長い時間その話題を話したわけではないのですが、「教える側が区別しなければいけない概念を教わる側に強要してしまうことが多い」というようなことを言っていました。○○さんとほぼ同じ意見でしたね。掛け算順序の話についても、「現在はかなり早い段階で交換法則をやる。交換法則の後は、逆順でもOK」でした。

 実際に順序に拘っている記述が多いことについても質問したのですが、直接それに関しては言及せず、「色々な教え方があるのに、何故か一つの方向に向かってしまう。エビデンスに基づいた理論があるわけではないのに、数学教育の偉い先生が主張する方向になってしまう。教育学部の先生はもっとエビデンスに基づいた研究をして発表して欲しい。」と言っていました。

 思い出したので追加ですが、「中学では順序拘りは無い」と言っていました。他のコメントと併せて解釈すると、小学校では順序拘りだが、それは小学校の教え方の「1つ」として認めている。そして、すべての教科書がその教え方を採用しているのは、文部科学省の指導によるものではないとのことでした。※それなら、他の教え方の教科書があってもよいということになる。

⑫・神奈川県教育委員会に勤務経験のある校長先生曰く

 「教育委員会もかけ算の順番はどちらが前でも正解であると伝えているそうだが,何故か広がっていかない小学校文化がある」と。我が勤務校では、県教育委員会のご協力のもと、かけ算・たし算ともに順序不同となりました。意外にすんなりと受け入れてもらいました。

 また、各学校においては,教科書を中心に,教員の創意工夫により適切な教材を活用しながらとあるので、文科省は学校への口出しはできないのだよと教えて頂きました。

 

⑬・三島市教育委員会学校教育課指導係長

 三島市内の小学校においては、かけ算の順序はどちらでも正解とする。公表しても構わない。静岡は、三島だけでなく全県学図なんですね。

 

⑭・京都府総合教育センター 

研修支援部 2013年9月27日

 私の娘は,学校のテストで掛け算の順序や足し算の順序が違うと×や△をつけられて帰って来た事が数回あります。いずれも私が観る限り計算の式も答えも何ら問題の無いものでした。一度は,先生に「どういうことなのか」説明を求めたところ,学校で協議された上で,謝りに来られ,改めるという約束を頂きました。(先生ご自身も疑問に思っていたようで,対応は非常に丁寧なものでした。)

 ネット上でも各所で話題になっています。昨年今年と朝日新聞中日新聞でもこの問題が取り上げられたようです。文部科学省では,この件に関しては順序を固定する指導はしていないというような公式発表だったと記憶しています。京都府教育委員会として,この資料を未だに掲載している意図は何かあるのでしょうか?いずれにせよ見解を知りたいものです。

京都府教育委員会の回答

 今回ご質問いただきました「他の筋の通った考え方で説明できる計算式を『正しくない』と否定することについて」は、ご指摘いただいたとおり、不適切でした。従いまして、当該単元指導パッケージについては、当センターホームページから削除します。

 

模範解答以外はバツとなる!

学校のテストの採点についての考え方

○ もし授業で、文章中に出てくる順番に式を書いていたなら、単元テストでも、同じことが求められたと思います。お子さんのノートやドリルがどうなっているか、見て下さい。というのも、単元テストは、入試や検定と違い、授業でやったことができるかどうかを確認するものだからです。 ※授業でやった方式以外は認めないというスタンスですかね?

 

○ 私はテストは“授業で教えていた通りにできているかどうか”ではなく、“授業で扱った内容を理解しているかどうか”を評価すべきと思います。(保護者)  ※ 私も同感です。当たり前だと思いますが。

 

○残念でした。小学校低学年の間は知識を問うているのではなく、先生の教えたことをちゃんと聞いているか確認しているわけ。※主体的な学びはどこへいったのでしょう?生徒は先生の奴隷ですか?

 

○ こういう「自分が教えた方法で解くこと」に拘泥する先生というのはやっかいだけれど現実にいるので、塾の先生的には「学校では学校で習ったやり方で書いときなさい。そうすりゃ先生は喜んで君の成績を上げてくれるから」と割り切らせてる。※塾の方がまともとは!昔は逆だったのに残念だ


○ 教師の教えたとおりに解かなければいけないのなら、ガウスのエピソードは素晴らしいことではなく、ダメな例となってしまうのか?※全く、その通りです。今の学校は天才を潰してしまうだろう。多分、先生はガウスのことも知らないだろう。


○ しかし、この「習っていないからダメ」って風潮もなんとかならないもんかね。予習や自学を否定して、好奇心や向上心も知識欲も否定して、「おまえはその枠に収まっておけ」ってのはものすごい違和感。その方が管理しやすかったり、子どもが天狗になることを防げたりはするのかもしれないけども、デメリットが大きすぎやしませんかねぇ。「2年生で名前を漢字で書けるのか、偉いね」という先生や学校と、「習ってないから書くな、生意気な」というのと、どっちが子どもにとっていい環境なのやら。※学校で全てを教えられるわけではないのに!すべての学習をコントロールできると思っているのか?

 

○ 大切な点は、数学的に正しいか否かではなく、小学校教師が正しいと評価するか否かです。小学校教師もそうでない人も時間は有限です。小学校教師は数学者ではありません。とすれば、小学校教師は、クレームに対処できるように、マニュアルどおりの採点をするだろうということは理解できます。上記の問いは、数学的に正しいか否かではなく、行政に向けて発せられるべきものだと私は感じております。※小学校も専科が増えれば良くなる可能性があるということか。

 

模範解答と異なる式や、細かい指示に従わないものはバツとなる!
                                                                        

○親「700円の3割は、700×0.3じゃないと駄目ですか?」 
横浜市教育委員会「はい」  ※うそだとしか思えない!

 

親「公式を覚えていない子が、自分なりに一生懸命考えて、100円の3割が30円で、その7倍、として30×7としたら駄目ですか?」 ※ 素晴らしい考え方です!帰一法と名前までついている王道の考え方です。学校で教えない方がおかしいですね。

委員会「そのような考え方は否定しない。説明が書いてあればいい」


親「700×0.3なら説明不要、30×7や0.3×700は説明がないとバツ
委員会「そうなることが多いかと・・・」※なんと理不尽な!

 

親「そうすると、その都度自分なりに考えるよりも公式を暗記してあてはめた方が無難ですよね」「その都度理解して試行錯誤すると想定した式と異なる可能性が高くなり、バツになるリスクも高まる。だから公式を暗記する方向に誘導しかねない」という私の意見に対して

委員会「授業では考え方を大切にして、公式を導くまでを丁寧に教えている。」という。

公式を使う前提としてそういうのがあるから、公式を使うことに誘導していても、考え方を軽視することにはならないらしい。

※ 中学生には、700円の3割は、3×7=21で、あとは大きさだけと教えています。大事なことは、だいたいどれくらいかが、感覚で分かるようにすることです。1000円の5割は、1000÷2でOK。5割=半分と分かっていることが一番大事です。

 

○ 私の息子も直方体の体積を求めるテストで、似たようなケースでバツをもらってきた事があります。息子曰く、直方体の体積は縦×横×高さなので、この順番をきっちり守って式を作らないとバツだという事だそうです。※公式は、教科書にたまたま書いてある1種類のみが「神」だということになる。公式の意味を間違えて捉えている

 

○ 子供が小学校支給の算数の問題集を解いていて、途中のメモの式を消しゴムでいちいち消すと言う妙な癖がついているので、なんで消すの?と聞いたら、余計な式が残ってたら×にされるから、と言う答。いったい、どういう指導をしているのだろう? (途中式残してなかったら、検算もできないのに)

※計算の仕方は個人個人異なっても良いはずです。一律にしようとするからできなくなるのです。

 

○ 10×2+3を解く時に、10×2+3=20+3=23と書きなさいと言うと、これも×にされると言い張る。10×2+3=23と途中式を書いたらいけないんだ、と言い張る。ほんとにいったい、どういう指導をしているのか謎ですごく困る。

※ 途中式を書くように指示を出すなら分かるけどなあ?

 

○ うちの姪も全く同じことをして、同じことを言ってました。 どこまで理解できていて、どこで間違ったのか検証できないので、何回やっても同じ問題を間違えるんです。計算式をちゃんと残すように教えると「途中の式は書いちゃいけないんだもん」と。こんなことして何になるんだと呆れました。

※ノートに書いた計算を消す生徒が多いのは、こんな理由なのか?予想だにしない内容です。

 

○ 途中式を書いてないので宿題のやり直しを命じられたようですが、これは小数を分数に直す問題。例えば0.8であれば「0.8は0.1が8個分 0.1=1/10なので1/10×8=8/10」と全ての問題で書かないとやり直し。

※ 教科書の説明は、最初の考え方の説明です。解き方の説明ではありません。考え方を大切にするということを間違えて捉えています。色々な考え方を引き出すことが先生の役目であり、同じ方法で無駄に何回も書いても深い学びにもなりませんし、漢字の練習ではありません。

 

教師の器

採点から分かる教師の器の大きさ

○ 中2のときのクラスメイト(ヤンキー系/男)が、数学のテストでやった回答です。テストの内容は関数が主だったのですが、彼はグラフを書き込むためのマス目のスペースに、イラストロジックよろしくマス目を塗りつぶして花の絵を完成させました。回答はそれのみ。本来なら0点。しかし先生(40代・男/ちょっぴり怖い)が「美しい」との理由で2点を与えてました。彼は回答が分からなかったから、ただ0点取るよりは…とウケ狙いでやったんでしょうけど、本当にそんな事をやってしまうのはすごい。でもそれで点を与えた先生ももっとすごい。(AyumiPPEさん)

 

○ 私の友人の話です。「江戸幕府八代将軍の名は?」の設問に「暴れん坊将軍」……。本人曰く、どーしても「吉宗」という名前が出てこなかったらしいです。戻ってきた答案用紙には三角がしてあり、「間違いではない」と書いてあったそうです。良い先生だ。(yumgyumgさん)

 

「先生、本当にこれを正解に?」答者の柔軟な発想と先生の採点にほっこり!

 

 恐らく「ふえるとなんわですか」という問題から、1羽(1匹)を自分で描き足したとみられる次男くんですが、なんと先生はこの回答を正解と判断。最終的に次男くんは100点をもらったのでした!すごい!
 これには母である高川さんも「『先生、本当にこれを正解にしてくださっていいんですか…柔軟すぎませんか…?』と申し訳なく思いました」とビックリ。またリプ欄でも「多分先生も “ふふっ”ってなりながら採点してる」「多分頭のいい子で、元々の問題は当たり前過ぎでつまらな過ぎなので、自分でひねりを入れたのだと思う」などの意見が集まった他、次男君の絵がうまいという声もたくさん集まりました。次男くんには子どもならではの柔らかい発想と絵心を持ち続けて欲しいですね……!

※この子はふえる鳥と、くわえる金魚がすでに書いてあるとは思わなかったのだと思います。

生徒のユーモアを理解してくれる先生ですね

 

 

 

 

先生が良いと思う方法で解かないとバツになる

先生が良いと思う方法で解かないとバツになる

 

○ 算数(数学)なんて、いろいろな解き方があることが面白いのに、1つの決めたやり方で書かないと×にされる。ひどいのは、途中経過の書き方まで学校で教えた通りに書かないと、×にされることがありますね。

 例えば、分数の足し算で、 1と1/3+2と3/4 の計算をするときに、 4/3+11/4  と一旦仮分数 にしてから通分すると強制されていました。3+ 1/3 +3/4 でいいのに。

※この方法は、推奨する計算方法です。

 わざわざ仮分数に直した後に通分するやり方だけが正解となっています。このやり方しかダメだと刷り込んでしまうと 21と1/3 +32と3/4  などといった計算の際に無駄に 大きな数字のかけ算が入り、時間がかかる上に間違いも起こりやすいですよね。

 だから、学校で教えられたやり方が間違っているとまでは言いませんが、子供には自分がわか りやすい(間違えにくい)やり方で解答しなさいと指導しています。

※問題によって、計算の仕方を使い分けるように教えていきたいです。

 

○  自身が小学生の頃、(2+3)×4 これを2×4+3×4で解いて、減点を喰らったことがありしたが、当時受験組だったやつらと喧嘩腰で説得の末、もとに戻してもらった事がありました。何か間違った教育が成されている気がしてならない。

※ 単なる計算だとしたら〇です。何かの指示があり、それに沿っていないので×になるなら分かりますが。

 

○先生の言い分である予習がいけないことというのはおかしいでしょう。このテストで掛け算を使ってバツにするようなひねくれた先生はこの人だけだと思います。私が小学校だったころバリバリ予習して、違うとき方しても「よく知ってるね」と書かれて普通に○もらえてましたし。

 

○子どもが興味を持って勉強を先取りすることは悪いことどころか、大変喜ばしく、褒めてあげるべきことだと思う。日本の教育には、まだまだおかしなところがあるようだ。

 

○娘が今算数の授業で、九九をひたすら覚えてて先生の前で暗唱するテストをやってるらしいんだけど、「8の段だけ今日合格できなかった!」っていうから「何を間違えたの?」って聞いたら「8×4=32」を「はっし」じゃなくて「はちし」って言っちゃったから だと。 どっちでも良くない?

※ 教科書会社のHPの説明に、読み方は書いてあるが1つの例ですと書いてあります。

 

要するに、論理的に正しければ、どんな解き方でも「正しい解き方」ということなのです。たとえ“模範解答”と違っていても、「論理的に正しく解けている」と判断できれば、大きく○をつけてあげてください。(Z会より)

 

○私が、実際にテスト返しで見たのは、文章題で2800÷700=4が正解の所を28÷7=4と書いて×をもらっていた。※ 文章題にない数字は、直接式に使ってはいけない謎のルール。工夫した式なので私なら花マルだ。

 

○ある先生曰く、初任者の時に、模範解答以外は×にするように指導されたと。1つ1つ考えていたら面倒なことになるからと。※ それをやるのが先生の仕事でしょ!しないならyou tubeで十分だ。

 

○しかし、この「習っていないからダメ」って風潮もなんとかならないもんかね。予習や自学を否定して、好奇心や向上心も知識欲も否定して、「おまえはその枠に収まっておけ」ってのはものすごい違和感。その方が管理しやすかったり、子どもが天狗になることを防げたりはするのかもしれないけども、デメリットが大きすぎやしませんかねぇ。「2年生で名前を漢字で書けるのか、偉いね」という先生や学校と、「習ってないから書くな、生意気な」というのと、どっちが子どもにとっていい環境なのやら。※ 生徒は先生を超えていかなければならい。超えて欲しい。先生より素晴らしい解き方が生徒から出てくることが喜びにならないといけませんね。

 

○考え方や計算式は1通りではありません。生徒の書いた式の意味を、理解しようと考えてあげて、〇か×かを考えてあげなければなりません。

 

○ 関係を表す式というなら、どう書いても自由なはずなので、当然正解です。 

                  

 模範解答ではすべて表せないので、教員がその穴を埋めていかないといけません。

 

○私なんか、4/14+6/14 の計算で、先に約分して分母を 7 に揃えた状態でたしたら答えが合っていたのに足し算を先にしなかったという理由でバツにされたことあります。もう20年以上前ですが。※ この問題では、先に約分するのが当然でしょう。小学校はワンパターンで教えたがる傾向があります。問題により柔軟性が求められます。

 

○ 児童は,今まで「式」といえば「答えを出すための計算の式」しか頭にありません。ここでは,初めて習う「等式」を同じ「式」という言葉で教えています。今まで,さんざん「式と答え」,「式と答え」を問われていたのに,「式」そのものが「答え」になるので,答えはどれなのとなるのは当り前です。また,内容が簡単なので,等式を作る前に□に当てはまる答えを求める式が浮かんでしまいます。

①の場合,式を求める式を書いてしまいました。この式を書いてしまう児童は多く存在します。変数として使っている□の 説明が不足していることが原因です。詳しい内容は,学習していないので〇で良いと思います。

②の場合,×になる要素がないので、当然○です。考え方に間違いはありません。等式の書き方は1通りではありません。
 
 少し前に、5年生の先生から、児童が書いた模範解答にはない答えを相談されました。等式の性質が分かれば、瞬時に○と分かる解答でしたが、しっくりいかない様子でした。