公式について

1.そもそも公式とは

 精選版 日本国語大辞典 「公式」の意味・読み・例文・類語
  ③ 一般的な原理や計算法則を数式で示したもの。〔工学字彙(1886)〕

 百科事典マイペディア 「公式」の意味・わかりやすい解説
  式の形で表された定理,または計算の一般法則を書き表した式。

 デジタル大辞泉
  2 数や式の間に成り立つ関係を、数学上の記号を用いて表示した式。

 ウィキペディア
  数学において公式(こうしき)とは、数式で表される定理のことである。

 Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)
  2 数や式の間で成り立つ関係や計算法則などを、記号で表した式。

  公式とは、成り立つ内容を数式で表したもので、かける順番を指定した式ではありません。当たり前の話ですが。

2.長方形の面積の公式に「縦×横」と「横×縦」と2つ書いてある理由

○ 学習指導要領解説と教科書の内容が変更された

 長方形の面積=横×縦を誤りとする教え方の存在を上野健爾氏(数学者)が平成13年の中央教育審議会の教育課程部会で指摘した。「こんなおかしなことがまかり通ったら大変だ。」

 その後、学習指導要領解説と教科書で、「縦×横」と「横×縦」が併記されるようになった。これは、かけ算の順序の延長で、面積の計算にも意味を見いだすべきという小学校特有の哲学が生まれたのが原因と考えられている。

 実際に○○小学校でも、×にしていました。当時の教頭先生が、公式を大事にという考えで×になってしまっていると。ただ、最近は教科書に書いてあるにもかかわらず逆は×という教師がいるらしい。恐ろしいことです。生徒に間違えたことを教えているわけですから。

学習指導要領解説より

 長方形の面積を求めるには,面積の意味を考えれば,単位の正方形を敷き詰めてその個数を求めればよい。単位正方形が規則正しく並んでいるので,乗法を用いると,手際よく個数を求めることができる。
 このとき縦や横の長さを,1cmを単位として測っておけば,その数値について(縦)×(横)(又は(横)×(縦))の計算をした結果が,1cmを単位とした大きさとして表されることになる。このことより、(長方形の面積)=(縦)×(横)(又は(横)×(縦))という公式について理解できるようにする。とある。

 めずらしく解説に大事なことが書いてあります。単位となる正方形を手際よく数えるのに、縦×横や横×縦となるわけで、縦が前か、横が前かは関係ありません。他の図形でも手際よく数える方法が公式となります。かける順番は関係ありません。

Twitterより

○ わざわざ「(縦)×(横)(もしくは(横)×(縦))」と縦×横と横×縦を学習指導要領解説で併記しておかないと縦×横のみを正解だと教えられてしまう危険性があるとみなされているということ。現場の教員は「馬鹿にするな!」と怒りを感じるべきだと思う。

〇 長方形の面積は、縦×横でも、横×縦でも良いのは当たり前で、それは、縦と横を入れ替えられるからという理由ではありません。横が前でも良いのです。面積は1cm2の正方形がいくつあるかを数えるものです。数えるのに、公式の順番通りでなくても良いのは当然です。他の面積や体積の求め方も同様となります。

3.長方形の面積の公式以外にも波及している公式の間違えた考え方

○ 現在、算数教科書では、長方形の面積の公式は両方の順序が併記されています。そのことで、「併記されていないものは一方のみが正しい」というニュアンスになってしまっています。算数教育界のスタンダードでは平行四辺形の面積は高さ×底辺では駄目、柱の体積は高さ×底面積では駄目、となるようなので五十歩百歩ですが。

 すべてのパターンを書いていたらきりがないです。代表する1つにまとめているからこそ公式になります。なので、かける順番は関係ありません。


○ 私の息子も直方体の体積を求めるテストで、似たようなケースでバツをもらってきた事があります。息子曰く、直方体の体積は縦×横×高さなので、この順番をきっちり守って式を作らないとバツだという事だそうです。   
     公式は、教科書にたまたま書いてある1種類のみが「神」だということになる。
                                                                                    
〇 慣れてくれば、公式の順番通りに書くようになるとは思いますが、かける順番で○×にはなりません。また、中学校になると文字を使うので、公式の順番が小学校とは当然異なってきます。小学校、中学校は関係なく、まとめた公式の順番通りでなくても正解になるのは、当たり前です。

○ 小学校から中学校へ進んだらかける順番を変更しないといけないことになります。
 公式のまとめ方が変わるのですから。どの順番であろうと正解に決まっています。
 三角形の面積  小学校:底辺×高さ÷2      
         中学校:1/2ah(1/2×底辺×高さ)    
 円周の長さ   小学校:直径×円周率        
         中学校:2πr(2×円周率×半径)    
 円の面積    小学校:半径×半径×円周率   
         中学校:πr2(円周率×半径×半径)

○ このように上下が高さと間違えたことを教えているので、
 底辺や高さの意味が身につきません。

  上下が高さという不思議な指示のもと、かける順番を後ろにするように直されています。かわいそうですね。最悪!このツィートに対して、次のような信じられない返信があった。 

Twitterより 最後に、数学で公式を使う場合は公式を完全に書くか、○○の公式を使うと書く必要があります。この答えはそれを書いてないですよね。かつ教えた公式(底辺×高さ/2)にそのまま当てはめず、順番逆になっています。よって全部×は可哀想だけど、完璧で非の打ち所がない答えではないですよ。」

 公式が完全とはなんぞや?? 公式を使うときは断る必要があると初めて聞いた?? 教えた通りに書くという算数の教義 この人小学校の先生ならヤバイ??

 

○ 公式を教わるのが一番先なのでしょうか?面積の考え方、面積の表し方を伝えた後、どうすれば求めることが出来るかを考えさせていくのではないでしょうか。
 公式はそれをただまとめただけの式。たまたまその順番になっているだけの式。高さは上下と間違えたことを教えているので、底辺や高さの意味が身につかず、高さが斜めだと解けなくなる。かわいそうですね。最悪!従って、次のような結果になるのは当たり前です。


4. 2021年全国学力・学習状況調査   「正解率は55%」 教育界に激震…

     小6が直角三角形の面積を求める問題に大苦戦!!

5.Twitterより

〇 公式というのは、結果をまとめたものを1つしか書きません。
 たまたま、その順で書いてあるだけです。かける順番を変えても間違いではありません。

○ 2007.12.12 長方形の面積について 縦×横は○ですが、横×縦は×になった。

 <この時代は×にされたこともあったことが分かっています>


 ある方からのタレコミ。小4のお子さんが学校で長方形の面積を横×縦で計算したら減点された。学校に問い合わせたら,担任にも教務主任にも縦×横が正解と言われたとのこと。横×縦でも同じになることを自分で見つけたならば褒めるべきところを減点するようでは,創造性を伸ばすなというようなもの。

○ 長方形の面積にまで順序に拘るアホ教師: 算数「かけ算の順序」を中心に数学教育を考える
   朝日新聞2001年7月15日朝刊 「声」大阪
    納得いかない、算数のテスト 主婦 ○○○○(○○○市 40歳)

 返された算数のテストを見せながら、「お母さんが先生なら、この計算式を間違いにする?」と、小学5年の娘が聞いてくる。
 娘が納得いかないのは、「小数のかけ算」のテストの中の「長方形の花だんの面積を求めましょう」という一問で、式はバツ、答えにはマルが付けられています。先生に聞きにいくと、長方形の面積の出し方は「縦×横」でしょう!と言われたそうです。娘は「横×縦」の式を書いたため、不正解になったわけです。

 「横×縦」でも面積は求められるのにと思いつつ、娘は赤ペンで式を書き直しさせられたそうです。このテストは「小数のかけ算」という単元をどの程度把握しているかを知るためにされていると思います。公式通りではないと言うだけで、考え方に間違いがあるとは、私も思いません。解答欄には「数学的な考え方」がマイナス5点されていました。

 そもそも、順序の是非以前に、長方形の面積を横×縦でバツにするような人が教師になっているというのが恐ろしい話ではあるが。

……公式を覚えて当てはめるのは数学的な考え方ではありませんね。

 

○ 名学館 庄内通校 
 かつて中学生に「これ立方体だから底面積×高さで体積が出せるよね」と説明を始めたら「え!?違いますよ塾長」「なんで?」「立方体は縦×横×高さですよ」と言われたときに、算数教育の異常事態を察知した。

 

○ collect10
 一方写真は小5のテストだが、これ、なんなの?これは推測だが、(一つ分)x(いくつ分)の議論の悪影響で、学校の先生自身の間でも 掛け算ではどんな場合でも順序を強制しなければいけないという勘違いがはびこり始めているのではないだろうか?

 教科書に載っている公式のかける順を守ってかけ算をしないといけないと信じている先生が多いのでびっくりしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○  相変わらず、公式としてまとめてある順番でないとマルにならない。 

その先生は、中学生になったらS=πr2なので、今度は円周率は前に書かないと間違いと言うのだろうか?



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○ 実は2年生の算数の指導書に興味深いことが興味深いことが書いてありました。       「かけ算の意味や法則を習熟した高学年においては、計算のしやすさなどから順序を入れかえた式で考えていくことを認めてよいが、この段階ではかけ算の意味に基づいて立式するように指導しておきたい。」

 つまり高学年になったら順序は気にしなくて良いということになる