問題を理解するのではなく、キーワードで演算が決まる

使う演算は問題の内容を考えて決めるのではなく、キーワードや忖度で決まる

●「全部で」は足し算・「残りは」は引き算

                          
 長男が1年生の頃、算数の文章問題におかしなことをしていました。数字のところに丸をつけて、最後の質問の部分に線を引いていました。聞くと、「数字に丸をつけて、全部でとか、合わせてとか、何算かわかる言葉に線を引いて答えを出すんだよ」と言っていました。学校で教わったそうです。ちなみに、「残りは」「ちがいは」などは引き算ですって…。

 掛け算でも…次男が2年生の頃、掛け算の文章問題にこんなしるしがついていました。「この、ひ と に ってどういう意味なの?」と聞くと、「ひ」は1人なん個かってことで、「に」は何人かってこと。式は「ひ」×「に」の順番に作らないとダメなんだって。」と言っていました。「でもこれ 全部でって書いてあるから足し算にしちゃう子がいるんじゃない?」と聞くと、「うん、まあたまにいるけど、先生がこれは掛け算ですって言っているから大丈夫。」まったく応用がきかない方法を仕込まれています。
 ※保護者がそう思うことが、普通の感覚ですね。
                                                                                    
 掛け算を習う前には「全部で」は足し算と教わっていたのに、掛け算が出てきたら、「全部で」があっても掛け算なのですから。簡単な文章問題を前にして、子どもたちが「これって何算? 掛け算? 割り算?と固まるのも無理はありません。
 ※文章の内容を把握することが大事なのに、表面的な言葉で演算を決めているだけですね。

 

●文章題を解く際,「あわせて」「のこりは」などのキーワードのみに着目し,それを根拠にたし算やひき算を立式する児童が少なくない。

 しかしこれでは「あとでシールを7まいもらったので,合わせて16枚になりました。はじめに何枚もっていたでしょう。」などの問題ではつまずいてしまう。

 

★ 初任さん 
「文章題に「合わせて」とあったら?」って聞くと「足し算!」と声を合わせる中一😭
「それは小学校の呪いだよ。」だって、ケーキとパンが合わせて10個あります。ケーキが3個のとき、パンはなんこ?って言われて、13個って答えるの?」って言ったら 「確かに...」となってた🤣

※この問題は、「合わせて」だけどひき算になる例です。小学校の教科書やワークは、キーワードに合わせた問題しか解かないので、文章の読解力がつきません。

 

問題の内容を理解するのが難しい問題

 

 ねとらぼブログより 
                                                                                    
「桃が5個あります。3個もらうと全部で何個になりますか」 足し算とも引き算ともとれる算数の問題が難しい。出題された小学生は、「もともと5個ある桃は誰のなの?」と困惑。

 写真には赤でチェックマークが入っていますが、これは学校の先生に誤答と判定されたわけではなく、ゆき乃さんが「一緒に考えよう」という意味で入れたものだそうです
 一見簡単そうで解答に困る算数の文章題がTwitterで話題となっています。桃がどこから誰へ移動しているのか、文章―「が不明瞭でどうとでも解釈できてしまう。
  
 この問題、自分が5個持っているところに、さらに3個もらったとして、「5+3=8」で「桃は全部で8個」と答えさせたいように見えます。
 しかし、どこかに5個ある桃を3個取ったとすれば、もともとの桃は5-3で2個になるとも読めます。
※小学校の問題は、きちんとした文章で書いてないので、読解力がつきにくいですね。
 

 文章としては「どこかから3個もらったのだから、手元にある桃は全部で3個」「5個あるうちの3個が移動しようと、桃は全部で5個」といった解釈もでき、考えるほどに正解が分からなくなってきます。

 

 問題文は投稿主が、小学1年生の息子さんと解いたドリルを紹介したもの。息子さんは「もともと5個ある桃は誰のなの?」と困惑しながら、どこかに5個ある桃から3個もらったと解釈し、「5-3=2」と式を立てました。正解とも不正解とも判断できない解答に、ゆき乃さんも「桃はどこに5個あって、誰がどこから3個もらったの?」と考え込んでしまいます。
※小学生なのにしっかり読み込んで考えていますね。素晴らしいです。


 このドリルには、「おはじきが7個あります。3個あげると、残りは何個ですか」という問題もありました。これならば「7個あるものを誰かに3個あげた“残り”」を求めるのだから、「7-3=4」が正解と分かりやすいように思えます。

 実際に「7-3=4」が正解とされている。投稿主は一連の設問に対し、「『主語は常に自分』として、『残りは何個』と聞くものは引き算で解き、『全部で何個』と聞くものは足し算で解くといったルールがあるのだろう」と推測。

 

実際、高校生の娘さんに意見を求めたところ、「“全部で”とあるから足し算に決まってる」と即答されたそうです。それでも、その「決まってる」は出題者への忖度(そんたく)なのでは? と、疑問を投げかけています。

 

 ツイートには、「問題の文章がおかしいのだから、足し算しても引き算しても正解とすべき」「『桃を5個持っています。“もう”3個もらうと~』ならまだ分かるのに」など、どうとでもとれる問題文への批判が多数。「文が簡素化されすぎていてストーリー性がなく、文章題である意味がない」という意見もありました。また、「“全部で”と聞かれているのだから足し算。そういうものだと割り切るよう教えられた」といった報告も散見されます。

 

 投稿主は息子さんの疑問をきちんと認めたうえで、学校で学ぶ「算数」のルールについて「覚えてしまおう」と教えることに。そして「これは一種の処世術のように思いました」と述べています。

※足し算やかけ算の順番で、文章題の意味を読み取ることが大切だと言っておきながら、問題文の助詞や副詞などの単語で、計算方法を決めていくのは、矛盾しています。

 

○問題を、「太郎さんはももを5こ持っています。さらに花子さんから3こもらうと、
太郎さんのももは、ぜんぶでなんこになりますか」と表せばたし算になります。

しかし、「太郎さんはももを5こ持っています。花子さんがそこから3こもらうと、太郎さんのももは、ぜんぶでなんこになりますか」と表せばひき算になります。

※ 小学校の問題は、きちんとした文章で書いてないので、読解力がつかない。それなのに、文章を理解して式を立てるので、順番が大切だという…??。

 

〇 これたぶん主語は常に自分という目線で「のこりはなんこ」って聞かれたら引き算で「ぜんぶでなんこ」って聞かれたら足し算みたいな区別があるんだろうけど。そのルールちょっと難しい気がするの私だけかしら。

 

〇 追いきれないほどのリアクション、引用RTを頂いております。ちなみに同じドリル内で引き算が正解のバージョンはこちらです。「のこりは」ですね。息子の疑問はきちんと認めた上で、学校で学ぶ「さんすう」のルールについて「覚えてしまおう」と教えました。これは一種の処世術のように思いました

 

〇 真っ先に浮かんだ式が5-3=2でした。問題文が「ぜんぶでなんこ」ではなく「のこりはなんこ」なら合ってたのかなと思いリプ欄を拝見したらゆき乃さんも同じことを思っていたようで安心しました(笑)なんか、ぼくがアホなだけかも知れませんが、日本語って難しいですね(笑)

 

〇 文章の読解した上での立式が重要ですよね。なのに「ぜんぶで」だったら足し算、「のこりは」だったら引き算、などとパターンを覚えさせるのは、「意味を理解して式を立てるのが重要だから、かけ算の順序教育に意味がある」とする主張と矛盾していますよね。

 

〇 「誰が誰に」を書いていないので×はおかしい。

 

ネット投稿より

○ 『子どもが5人います。そこに3人きました。子どもは(     )8人になりました。この文章の(   )に当てはまる言葉を書くのですが娘は(あわせて)と書いてバツをもらってきました。正解は(ぜんぶで)なのだそうです。』

(合計で)でも、(全員で)でも〇ですよね。増加は「ぜんぶで」&「ふえると」を使い、合併は「あわせて」と表さないといけないらしい。算数教育で、日本語の使い方を勝手に決めてもらっては困りますね。

 

○ 子どもは、対抗策として「ずつ」を前にすればマルになると覚えるそうです。これは、意味を考えずに、順序だけ約束通りにするテクニックとして広まっているらしい。あるいは、先に書く数字は、答えの単位と同じものを書くというテクニック。要は文章の内容を理解して書くのではなく、マルをもらうにはどうするかだけ。「一つ分」×「いくつ分」は蔑ろ(ないがし)にされてしまっている。

 

○ 「ずつ」という単語があったら、その「ずつ」が付いた数を先に書いて、その後にもう一方の数を書くだけのことですから、文章を理解していない生徒を抽出できません。わざわざ順序なんて守らせなくても、文章にダミーを含む3つ以上の数を入れたり、掛け算でない問題を織り交ぜたりしたテストをすればいいと思います。

 

○ この前2年生の子に聞いてびっくりしたことなのですが,「そろそろ式は反対に書かなきゃいけないころだ」と言うんです(笑)。「何で?」と聞くと,「プリントは,後の方になるとそういうふうにしないとバツになることが多い」と言うのです。そういえばそうですよね。まとめのテストの文章題の終わりは,必ず式が逆になる場合の問題が多いのです。まあ,統計的にみる力は素晴らしいものがあるかもしれませんが(笑),それではやはり意味がありません。

※ つまり、式の順番が正しくても、理解しているとは限らないという例ですね。(笑)

 

○ なるほど...もうはじめからそこで判断しろという...テスト仕様、学校仕様の指導があるんですね。私はそのルールを「覚えてしまえ」と言うまでにすごく悩みました。こういう問題が多いので今後、楽にクリアするための処世術として教えてしまいました。でも感性は否定したくなく、いまだに悩みます。

 

○ 算数で、文章の意味を読みとることが大事だと言いながら、同じ言葉の言い回しの問題ばかり解き、読みとるポイントは、内容ではありません。なんと、言葉遣いで決めていくという本末転倒の指導。教科書の指導方法がそうなっているので、教師の責任ではありません。
  

○ 等式になると、キーワードで決めることができなくなる。小学校のルールは最初の狭い範囲でのみ使えることが多く、高学年になれば教師も気にしなくなる。おかしな話だ。

 

○ 私は鉛筆を8本持っています。友達から何本か頂いたので、あわせて13本になりました。この内容を式で表しましょう。
 あわせてだから、たし算だね。 8+□=13 正解!
 でも, 13-□=8でも 正解だ! あれひき算になっちゃった? 

 

○ 「~の」が元の量になると教えています。

 

○ 割合の問題をネットで質問したら、次のようなアドバイスがありました。
 小学生から、元になる量は「の」、割合はパーセントか、「に」、比べられる量は「を」などなどです!  問題によって違うところもあると思いますが大体がこれだと思います!
 別の小学生から、まず比べる量は語尾に「~は」が付いてます。そしてもとにする量は語尾に「~の」が付いています。割合は%や小数点が付いています。ファイト! 頑張ってね!

 ※どれも、割合の本質ではなく、言葉遣いから公式にあてはまる技を教えてくれています。学校で習った内容だと思います。実際に学校でそう教えています。公式を覚えてあてはめるだけの練習です。

 

○ 割合の問題では、基本的な質問の仕方が4通りあります。「~の」が必ずしも元の量にはならないことが分かると思います。(詳しくは5号に)
 ・3000円の40%はいくらですか。
 ・200円は500円の何割ですか。
 ・100円の1000円に対する割合は何割ですか。
 ・1000円に対する200円の割合は何%ですか。

 

○ 「60を半分で割って20を足したらいくつ?(正解:22)」業者テストは、レベルが低い問題もあるという典型ですね。

 

○ これは典型的な「「舌足らず表現によるひっかけ問題」ですね。真面目に考えると「回答不能」または「解が一通りに定まらない」です。それは問題文の解釈が複数あるからです。

 1.60を(1の)半分(=0.5)で割って20を足したら …答え60÷0.5+20=140
 2.60を(その)半分で割って20を足したら…答え60÷30+20=22 
 3.60を半分で(→に)割って20を足したら…答え60÷2+20=50

 

○ 「つまらない問題が流行っているようですが、問題の文章がまちがっているので、答はない」が正解です。」

 

○ 「60を半分で割って20を足したらいくつ?(正解:22)」って算数の問題が流れてきた けど、日本語を商売道具にしている人間としては見過ごせませんよ!?

 ヒトの脳は自動的に文章を校正しちゃうので、「60を〝その〟半分で割って」と書かないと伝わりません。「60を半分〝に〟割って」と校正しちゃう。  

※私もそう読んでしまった
 
 「60を半分で割って」という一文を読んだだけで「30で割れという意味だ」と解釈でき る人は、じつは脳内で勝手に文章を校正しています。「60を〝その〟半分で割って」という ふうに、「その」を勝手に足してしまっている。「半分」という言葉は、何の半分なのかを指定しないと意味を確定できません。

「半分=1/2」と解釈することもできそうです。この場合も、議論の余地はあると思いま す。「言語はジェスチャーゲームである」という仮説に基づけば、問題は「半分」という言 葉を聞いただけで「1/2」を連想する人々のコミュニティに属しているかどうか。

 

○ 「ちなみに自分は「50」だと思った。ChatGPTに聞いても「50」だと言うので、世間一般 でみても恐らく大半の人間が「50」と答えるのだろう。」