かけ算順序問題は小学校時代にすでに破綻している

小学校の教材を見てみると

① 小学校6年生の教材

 「正三角形の一辺の長さをx cm,周の長さをy cm とすると,yはxに比例する。この関係を式に表しなさい」とあります。

 比例式では、「決まった数」が3となるので、y=3×xが正解です。しかし、かけ算の順序固定に従うと、「一つ分の数」がxなので、x×3が正解となります。

 つまり比例の関係を式で表すと、かけ算の順序固定に当てはまらない場合が出てきます。だいたい全てのかけ算に当てはまる訳はありませんね。

 

② 小学校4年生下の教材

  だんの数を○だん、まわりの長さを△cmとして式に表しましょう。
  指導書の解答に○×4=△(△÷○=4、4×○=△)とあります。
  だんの数を数を○だん、下からの高さを△cmとして式に表しましょう。
  指導書の解答に○×15=△、15×○=△、△÷○=15、△÷15=○などとあります。
  つまりここでは、かける順番も単位も気にしていないことが分かります。

 

③ 小学校3年生上の教材

15÷3の式になる2つの問題があります。この2つの問題をくらべてみましょう。

「1人分の数」×3も3×「人数」も3の段の九九を使って求めますと書いてあります?。教科書会社は教科書p.14のさくらさんが□×7=7×□より7の段の九九でと既に学習しているので、かけ算の交換法則を使って,□×3=3×□と捉えることで解決していたければと思います。だそうです。かけ算の交換法則をp14以降に使っていいんだ?え~なにそれ!

 

④ 小学校3年生上の教材

「みかん16こを,3人で同じ数ずつ分けます。1人何こになって,何こあまりますか」

 問題を解いた式は、16÷3=5あまり1  たしかめの式は,3×5+1=16となります。これだと,3倍×5ずつになってしまうので、このページには、教科書にたしかめの式は書いてありません。こちらを前に持ってくることに作戦を感じる。

 次のページでは、「あめ23こを,1ふくろに5こずつ入れると,何ふくろできて,何こあまりますか」

 式は、23÷5=4あまり3  たしかめの式は,5×4+3=23 これだと,5ずつ×4 倍と教えた通りなので、このページには,教科書にたしかめの式が書いてあります。

 

⑤ 小学校を卒業すれば

当たり前ですが、かけ算順序固定は存在しません。それどころか調べてみると逆の順番ばかり見つかりました。かけ算は用途に応じて,扱いやすい順序でかけることができるので、便利なツールになっていると考えられます。

 

小学校時代に破綻していることに気がついた人

☆ <numachi11111 しがない塾講師より>

 「かけ算順序」の考え方では,逆算(□に入る数を求める計算)のときに論理的整合性が失われますよ。だから,最悪でも逆算を学習するまでには,「かけ算順序」は解除されなければ指導上の悪影響が予想できますよ。では,次の画像を見てください。Twitter から切り出しました。

「式には意味がある」というのが「かけ算順序」の主張なので,それに沿って生徒は次のように意味づけをしたとしましょう。

 ① □個のおはじきを 9 人で分けたら 7 個ずつ配れた。
 ② □個のおはじきを 9 個ずつ配ったら 7 人に配れた。

 

これを,「かけ算順序」に沿って立式すると, 
 ①の場合は □個=7×9  
 ②の場合は □個=9×7    となります。


この 2 つはどちらも,「かけ算順序」の下で整合するので,②だけを✕にする理由はないことがわかります。つまり,逆算と,かけ算順序は整合しません。

「かけ算順序」を仕込んだところで,早々に矛盾してしまうんだから,仕込むのをやめたらいいと思うんですけどね。  

                     

☆僕は理系の人間ですが、トピ主さんが執着しておられた小学校で教えられた掛ける数と掛けられる数の順番は、どちらかが変数になった時点で破綻していることを同じ小学時代に感じましたよ。例えば、1個x円のりんごを5個買うときの代金をy円とするとy=5xと記述しますが、これで破綻してしまいますよね。電卓でも変数のほうを後にすると、計算が便利ですし

 

☆ YAHOO知恵袋より 小6の息子が算数テストを持ち帰ってきた。どうも納得いかない。

 「正方形の一辺の長さ x cm と、まわりの長さ ycm の関係を式に表しなさい」「y=x×4」だと減点3点!? 正解は「y=4×x」
 教科書を確認すると、比例する関係を表す式「y=きまった数×x」と書いてありました。それじゃあ、仕方ないかとも思うのですが、それなら、「縦が xcm の長方形の、横の長さ8cm と面積 ycm2 の関係式」は、「y=8×x」になるのかな。

 でも、ちょっと前の学年までは、掛け算の式は、「一辺の長さ6cm が4辺なので、まわりの長さは6×4」「長方形の面積は、縦×横」なのでと、かけられる数とかける数の関係(書く順番)がかなり重視されていたのに、学年かわって、比例となると、その書く順番が変わってくることに、なんだか矛盾を感じるのは、私だけでしょうか?